トランプ政権移行 (2016/11/23)

 

 

118日の大統領選挙までとその直後は大混乱であったが、あれから2週間が過ぎてマスコミの大騒ぎも収まったようである。

 

日本のニュースは海外の引用か、週刊誌的なトランプ氏のスキャンダラスなお話ししか取り上げていないように見えるが、海外のマスメディアはもう少し分析的に事を見極めようとしている。

 

私も知らなかったが、来年120日の就任式までに大統領スタッフを含めて4100名を政権下で雇い入れなければならない。うち1000名超は上院の了承が必要である。

 

ところが、大統領主任に向けて移行チームの人選ですら結構ごたつき、作業が進んでいない。彼は身内をチームの柱に置いたことで、世間からは「身びいき(Nepotism)」といわれる。その一方、政権運営で共和党からの人材登用は不可欠であるものの、いろいろな軋轢が生じている。トランプ氏は、政権に加わると噂されるニュージャージー州の知事であったクリス・クリスティと4年前の大統領選で共和党の候補であったニット・ロムニーともしっくりいっていない。

 

そもそも、彼が大統領に就任した後、どのような政治を進めるのかよく分からない。選挙期間中に話題となった彼の発言もそのトーンが相当変わってきている。メキシコ国境に「万里の長城を築くぞ」と言ったが、今の発言は「フェンスを張る」に変わった。1100万人の不法移民をたたき出すと言っていたが、これも2300万人の犯罪者(この数字自体そもそも怪しい)を追放するだけとトーンダウン。

 

長官の候補もいろいろ問題が出ている。外交経験の全くない元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏とブッシュ政権が強硬に国連大使任命したものの上院で承認されなかったタカ派のジョン・ボルトン(共に国務長官候補)、そして地球温暖化など科学的根拠はないと言い張るミーロン・エベル氏(EPA長官候補)などの名が上がっているが、共和党が多数を占めるものの、果たして議会の承認が得られるかどうか不確定要因は多い。

 

基盤とする共和党の支持がなければトランプ政権の運営はおぼつかない。果たして、政治の駆け引きで彼がどれだけ忍耐強い行動を取れるのか、これもよく分からない。彼が成功を収めた不動産ビジネスのように、イケイケだけで事が進むわけではない。

 

 

 

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